エアコンを選ぶときに「対応畳数」だけを確認して決めていませんか?
でも付けたい部屋の広さで決めるんじゃないの?
それだと「冷暖房の効きが悪い」など
エアコン選びに失敗してしまう可能性があるよ!
対応畳数には見方があり、家の構造やエアコンを設置する場所に合わせた判断が必要です。
エアコン対応畳数は小さすぎても大きすぎてもよくありません。しっかりと選び方を理解して部屋に合うエアコンを選びましょう。
この記事では、エアコンの選び方について詳しく解説していきます。
エアコン選びの4つのポイント
エアコンを選ぶ場合、以下の4つを基準にして選びます。
・対応畳数
・設置環境確認
・仕様表の見方を理解する
・電気代と本体価格のバランス
この4つの基準で選ぶことで、あなたの部屋にピッタリなエアコンを選ぶことができます。
それぞれの基準について詳しく解説していきます。
部屋の広さと同じ対応畳数は選んではいけない
この畳数表示とは一体どこから来ているのかご存知でしょうか。
実は畳数表示というのは、1964年に当時の「木造無断熱平屋住宅」を基準として制定されたもので、その後50年以上もの間、全く変更されていません。
現在では、当時とは比較することができないほど高気密高断熱住宅が増えていますから、
対応畳数だけに囚われて選ぶと、オーバースペックになってしまうんです。
冷房対応畳数6〜9畳のエアコンがあった場合、どのような部屋でも6〜9畳の広さであれば充分に冷房効果を得られると勘違いしてしまいやすいですが、実はこれは間違いです。「6〜9畳」という数字は、木造の家で使用した場合と鉄筋造の家で使用した場合の畳数を表しており、「木造なら6畳、鉄筋造なら9畳まで対応」という意味だからです。
よく家電量販店のスタッフに「対応畳数相当か、ワンサイズ大きいものを選びましょう」とアドバイスされることがあると思いますが、
これだとまんまとメーカーの策略にはまってしまうようなことになります。
量販店側も売上が欲しいですから、対応畳数よりも小さいものは勧めて来ませんよね。
実際に筆者も、家電量販店で200V14畳用のノクリアを20畳のリビングに付けたいと相談したら猛反対されました。
(販売員の方に、実際に取り付けに入った業者が広さを見て「畳数合ってないからウチでは取り付けはできない!」と帰ってしまうことがあると言われました……。)
委託された取付業者さんがそんなこと言うのかな??
20畳・吹き抜けありな我が家のリビングですが、200V・14畳用のノクリアWシリーズです。
ですが、37度越えの猛烈な暑さの夏も十分に冷えています。(常にフルパワーでの運転ということもありません)
冷えるまで時間がすごいかかるということもないよ♪
オーバースペックな場合は、適正なスペックのものと比較するとフルパワー時の消費電力が大きくなります。
多少は冷えたり温まったりするまでの時間が短くなるかもしれませんが、そもそもフルパワー時の消費電力が大きすぎます。
結果として無駄な電力を消費してしまい、電気代が上がってしまいます。
スペックが足りなくてもオーバースペックでも、電力の浪費につながるのがエアコンなのです。
畳数ばかりあてにすると、損をしてしまうこともあるので気を付けましょう。
ノクリアの設置場所について
ノクリアが自宅に届いて、設置してもらうはずが取り付けられなかった……というのは困りますよね。
ノクリアを新たに購入する際は、室内機や室外機を置く場所、コンセントの形状という3点を確認しておくことが重要です。
まずは付けたい部屋がどういう状況なのか確認しましょう。
室内機の設置条件
余裕をもって天井まで10cm以上、左右は5cm以上のスペースが必要!
メンテナンスをすることを想定して、天井から室内機までと横の壁から室内機まではスペースが必要です。
このスペースを確保したうえで、それに合ったサイズの製品を選ぶようにしましょう。
ノクリアは最上位モデルのXシリーズから、シンプルモデルのCシリーズの全8種類(ゴク暖仕様含む)
シリーズ名 | 天井から離す距離 | 横の壁から離す距離 |
X | 8cm以上 | 3cm以上 |
Z・ZN・ | W8cm以上 | 5cm以上 |
V | 6.5cm以上 | 5.2cm以上 |
D・DN | 3.8cm以上 | 3cm以上 |
C | 5cm以上 | 3cm以上 |
窓の上のやカーテンレールの上に付ける場合には、天井との距離に気をつけて!
室内機は壁に取り付けした土台(据付板)に引っかける形で取り付けされています。
室内機は平均して10kg程の重さがあるため、室内機の重みに耐えられない壁に取り付けしてしまうと、壁を破損させたり最悪の場合は室内機の落下に繋がる恐れがあるため、十分に強度がある場所かどうか、取り付けする際に作業員が確認を行います。
下地を入れていない場合は間柱などに取りつけることになるので、ダウンライトなどと干渉しないかなど注意しましょう。
あと15㎝左にずらしたいなぁ。
15cmずらすと、間柱がないから次の間柱にしなきゃだよ。
間柱とは…柱と柱の間にある小柱のこと。家の構造を支える柱ではなく、部屋の内側の壁を支えるための柱。
木造で在来工法なら1尺5寸(約45センチ)ごとに間柱が必ず入っています。
筋交いとは…建物を強くするために、柱の間などにななめに交差させてとりつけた木材。
間柱を利用してエアコンの台座(据付板)を取り付けるので、「あとちょっと右にして!」などは難しくなります。大胆に次の間柱までずらさなくてはいけなくなります。
エアコンの穴を開ける際にはメインの柱や間柱、筋交いを傷つけてしまわないよう確認しましょう。
https://twitter.com/tori_niku_san/status/1451452705344348160
本当は壁の隅にエアコン設置予定だったのに、ライトと干渉してしまうので位置を変更されたようです。
間柱や筋交いはお家を守る柱です。穴をあけてしまうと強度が変わってくるので、業者に依頼する際は図面を用意するなどして
依頼者側も気を付ける必要があります。
室外機の設置条件
ノクリア全シリーズが同じく、前面30cm以上、後方10cm以上、左右10cm以上(うち2方向を開放指示)のスペースが必要!
効率の良い運転のために、部屋の外にこのスペースがあるかどうか事前に確認しましょう。
シリーズ名 | 後ろの壁から離す距離 | 横の壁から離す距離 | 前面の空間 |
X・Z・ZN・W・V・D・DN・C すべて | 10cm以上 | 10cm以上 | 30cm |
室外機の効率をさげないポイントはこちら♪
できれば直射日光の当たらない場所が望ましいです。
ただし日陰を作るために室外機の吹き出し口を植木や柵で囲ってしまうのはやめましょう。
室外機は背面から空気を吸い込み、熱交換器を通って正面から空気を排出する特徴があります。
吹き出し口を囲ってしまうと、放熱の妨げにになり冷房効率が下がってしまいますので注意しましょう。
特に注意したいのが配管の長さと高低差、それと配管経路です。
エアコンは各メーカーにより1台につき使用できる配管の長さや高低差が決められています。
室外機と室内機をつなぐ配管が、長くなるにつれてエアコンの能力は低下してしまいます。
エアコンを取り付けする際は住宅環境を確認の上、最良な設置場所を検討しましょう。
・風や騒音等で隣地に対して悪影響を及ぼしそうな場所
・避難場所の妨げになる場所
コンセントの形状
エアコン専用のコンセントには種類があります。
コンセントの形状がエアコンの電源プラグと異なっていたら設置はできません。購入前に付けたい位置の形状の確認を必ずしましょう。
コンセントの形状を変更することはオプション工事で可能になる場合もあるので、自宅の形状と違うエアコンが欲しいときは
かならず購入前に業者に確認をして、取付できることが確定してから購入しましょう。
形状変更工事費用 2,000円〜3,000円 くらしのマーケットで業者に相談
100Vと200Vの違い
エアコンによっては、同じ畳数でも100Vタイプと200Vタイプがあります。
どちらを選んだらよいのか悩みそうですが、一般的に、200Vタイプの方がパワーがあるのでその分目標温度に早く到達します。
ただし、その横に書いてある電源プラグをよく見てみましょう。
ご自宅のエアコン専用コンセントが100V用の場合は200V用への変換工事が必要となりますので、
かならず購入前に業者に確認をして、取付できることが確定してから購入しましょう。
電圧変更工事費用 2,000円〜5,000円 くらしのマーケットで業者に相談
仕様表でノクリアの能力を確認しよう!
能力が4.0kwとかいわれても全然ピンとこない。数字が大きくなるほどどうなるの?
効率よく使えるエアコンを選びたいですよね?
畳数の目安のほかに、エアコンの能力も重視してみましょう!
仕様表にかかれている基本能力は、JISで決められた統一基準でかかれているのでメーカーによっての違いはありません。
本記事では「室内の温度を素早く快適にしたい」「冬はストーブやファンヒーターよりもエアコンの暖房を使いたい」など、
エアコンの使い方に合わせた正しい能力表示の読み取り方を紹介します。
仕様表には何が書かれているのか
畳数の目安・能力・消費電力などさまざまな数字があって、どの数字が何を指して、どのように参考にしたらよいのか迷ってしまいますよね。
能力 | エアコンの標準的なパワー |
消費電力 | 電気代の目安 |
などがわかります。
エアコンを効率よく使うためには、部屋の広さに見合った能力のものを選ぶことが大切です。
続いては機関消費電力量についてです。
期間消費電力量 | 1年間に消費する電力量の目安 |
こちらの数字が小さいほど省エネ性能の高い機種ということになります。
当たり前ですが、対応畳数によって変わってくるので、比較をするときは同じ対応畳数のものと比較しましょう。
能力(kW)は「エアコンのパワー」指数
数字が大きいほど、その冷房能力(暖房能力)が高いということを意味します。
冷房 能力 | 4.0kW (0.7~5.4kW) |
暖房 能力 | 5.0kW (0.6~11.6kW) |
上記の「能力(kW)」を見てみましょう。
冷房能力を見ると「4.0kW」と書いてあります。この数値は、エアコンの標準的なパワー※を示しています。
この数字が大きいほど冷暖房能力が高いことを意味しています。
そして(0.7~5.4kW)という( )の中の数値がパワーの範囲を表しています。
最小数値が小さいほど細やかな温度調整がしやすく、最大時の数字が大きいほどエアコンのパワーが大きく素早く冷暖房ができます。
最小時と最大時の数字に差があるほど、エアコンが出せるパワーの範囲が広く能力が高いということになります。
※JIS規格に基づき連続して運転した場合に、その機器が安定して出すことの出来る能力のこと。
最小時の数字が小さいほど、温度管理の性能が優れていて細かい温度調整が可能という目安になるよ!
同じノクリアでも、シリーズによって能力に違いはあるの?
同じ電圧どうし、14畳用の上位シリーズと下位シリーズでくらべてみよう!
【200V】おもに14畳用 | ||||
X | カッコ内の差 | W | カッコ内の差 | |
冷房 能力 | 4.0kW(0.7~5.4kW) | 4.7 | 4.0kW(0.8~5.4kW) | 4.6 |
暖房 能力 | 5.0kW(0.6~11.6kW) | 11 | 5.0kW(0.8~9.8kW) | 9 |
さすが最上位グレードXの暖房能力はすごいね!
【100V】おもに14畳用 | ||||
D | カッコ内の差 | C | カッコ内の差 | |
冷房 能力 | 4.0kW(0.9~4.3kW) | 3.4 | 4.0kW(0.9~4.3kW) | 3.4 |
暖房 能力 | 5.0kW(0.9~6.3kW) | 5.4 | 5.0kW(0.9~6.3kW) | 5.4 |
価格差が5万円ほどあるのにDとCの能力が一緒だ!
能力は一緒だけど、消費電力に違いがあるよ!
期間消費電力量(kWh)は「省エネ」指数
電力についての表示は、もうひとつ「期間消費電力量(kWh)」というのもあります。この数値は、1年間にエアコンが消費する電力量の目安です。「期間消費電力量(kWh)」は数値が小さいほど省エネ性能が高く優秀といえます。
寒い地域ほど最大暖房能力に注目する
最大暖房能力というのは、寒い地域ほど大事な指数になります。
寒い地域にも効率よく対応できるのは寒冷地専用のエアコンです。
ゴク暖ZNとノーマルZの比較 | ||||
(おもに14畳用200V) | ZNカッコ内の差 | (おもに14畳用200V) | Zカッコ内の差 | |
冷房 能力 | 4.0kW(0.7~5.4kW) | 4.7 | 4.0kW(0.7~5.4kW) | 4.7 |
暖房 能力 | 5.0kW(0.6~12.8kW) | 12.2 | 5.0kW(0.6~12.0kW) | 11.4 |
外気温2℃時 暖房能力 | 9.4kW | ‐ | 8.7kW | ‐ |
ノクリアはZNシリーズとDNシリーズが寒冷地仕様になります。
ゴク暖シリーズは、室外機に凍結防止ヒーターを内蔵。霜取り時に排水した水分などが凍結しないように、内蔵ヒーターで温める。
また、室外機は外気温-25℃でも作動可能。
最大能力値が高いことはもちろんですが、外気温が低いなど寒さへの抵抗力が強いのが下位機種とは大きく違う点ですね。
寒冷地にお住いの方は低温時の「暖房能力」についても考えてみてください。
エアコンを使用したときの電気代の計算方法
最近では電気代の値上がりもあり、家計に大きく響くのが使用量の多いエアコン。
購入費用を安く抑えるのも大事ですが、維持費を安くすることも大事な一つですよね。
電気代の値上げで家計がピンチ!
省エネモデルを買えば日々の電気代が抑えられる、けれど本体代が高い。
結局どちらを選ぶのが良いのかしっかりと確認していきましょう。
1時間あたりのランニングコスト
1時間あたりの電気代は「消費電力(kW)×使用時間(時間)×料金単価(円/kWh)」で算出できます。
さきほど一緒の能力だったグレード違いの、ノクリアDとノクリアCで比べてみましょう。
計算では記載されている消費電力をkWに変換します。1000W=1kWなので、1,210Wと記載されている場合は1.21kWになります。
料金単価は電力料金の目安単価である1kWあたり31円/kWh(※)で計算します。
電力会社の電力料金の改定を受け、令和4年7月22日に改定したものです。
※公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会公式HPQ&A 参考
1時間あたりの電気代比較 | ||||
D (おもに14畳用100V) | 電気代/h | C (おもに14畳用100V) | 電気代/h | |
冷房 消費電力量 | 1.21kW | 37.51円 | 1.25kW | 46.25円 |
暖房 消費電力量 | 1.43kW | 52.91円 | 1.47kW | 45.57円 |
ただし、運転開始直後の電力量と部屋が設定温度に近づいてきてキープするときの連力量とでは違いがもちろんあります。
5時間つけたから単純に×5で計算するとまたちょっと違ってきます。
なるべく快適温度になったらエコな運転をするよ♪
1年間あたりのランニングコスト
1年間の電気代は「期間消費電力量(kWh)×料金単価(円/kWh)」で算出できます。
この計算方法はあくまで目安ではあるものの、電気代(ランニングコスト)と本体価格(イニシャルコスト)のバランスを考える場合にも役に立つでしょう。
【比較検証】ノクリアD VS ノクリアC
実際にノクリアDとノクリアCで、本体価格差と比較してみてどちらの機種を選べば良いのかシミュレーションしてみましょう。
購入~運用までの「金額」だけで比べてみましょう。
「本体価格の差額(円)÷ 年間電気代差額(円)」で何年で元が取れるのかが分かります。
料金単価は電力料金の目安単価である1kWあたり31円/kWh(※)で計算します。
電力会社の電力料金の改定を受け、令和4年7月22日に改定したものです。
※公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会公式HPQ&A 参考
1年間あたりの電気代比較 | ||
D (おもに14畳用100V) | C (おもに14畳用100V) | |
電力量 | 期間消費1,455kW | 1,513kW |
電気代 | 年間45,105円 | 46,903円 |
目安 (工事費別) | 本体価格134,000円 | 97,000円 |
ノクリア本体の価格差は約37,000円。電気代の差は年間1,798円になります。
37,000÷1,798=20.57… となるので本体価格差の元を取るには20年かかります。
20年っ?!ハードな使い方をしたとしてもなかなか元がとれなさそう!
エアコンの耐用年数は約10年といわれています。
ノクリアDは省エネモデルなので日々の電気代は安いですが、さすがに20年はきびしいかなと思うので
金額だけの勝負はノクリアCに軍配が上がりました。
金額はノクリアCの勝ち
機能面比べてみましょう。
能力は同一、省エネ性能は高いD、価格は安いC。
そのほかの機能での違いが何か確認してみましょう。
D | C | |
熱交換加熱除菌 | ||
プラズマ空清 | ||
フィルター自動おそうじ | ||
ウイルカット・フィルタープラス | ||
ホットキープ徐霜 | ||
2WAY除湿 | ||
人感センサー「不在ECO」 | ||
おやすみタイマー | ||
音声お知らせ | ||
つながるノクリア | ||
無線LANアダプター | 別売り | 別売り |
- プラズマ空清
- フィルター自動おそうじ
- 人感センサー「不在ECO」
この3つの機能を、本体価格差である約37,000円と10年使用すると仮定して電気代差額17,980円とあわせて54,980円と天秤にかけてみましょう。
5万円高くても「フィルターのおそうじ機能が絶対に欲しい!」など、しっかりと目的があるのであれば価格差だけでえらばずに機能面でえらびましょう。
機能面はノクリアDの勝ち
まとめ
エアコンは一度買うと長く使うものになります。金額も安い買い物ではないので、しっかりと自分の家に合うものを選びましょう。